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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『ファイ 悪魔に育てられた少年』


映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』公式サイト

劇場で見たかったんだけど見逃した作品。例によって Unext で。

韓国映画の暴力描写って、なんでこう生々しくって目を背けたくなるんだろう、って、いつも思う。

全体のトーンが人間臭いベタベタネトネトだからなのかな、というのが、この映画を見ての一応の答え。

5人の犯罪者グループが誘拐してきた子供を、なぜか自分たちで育て始める。

子供は5人の男のうち、リーダーのみ「アボジ(お父さん)」と呼んでいて、ほかの4人はすべて「アッパ(お父ちゃん)」と呼んでいる。ヒョン(兄さん)でもサムチョン(おじさん)でもなく、アッパ。

そして5人の父親たちは、すべて彼らなりにこの少年に愛情をもって接している。それは、最後に少年に死をつきつけられてもずっと。

一方、この犯罪者グループは、この上ない無慈悲さで、なんのためらいもなく次から次へと殺人を犯す。相手の恐怖や苦痛は毛ほども感じない。そして、とても賢く綿密な計画をたてて「仕事」をする上に、警察内に協力者がいるのでつかまらない。

その落差が、いたたまれない気分にさせる。

しかし、キム・ソンギュン演じるトンボムのえぐさはすごい。この人がいなければ、全員なにやら小利口すぎて、ずっと地味になっちゃっただろう。一見好人物に見えるギテの素朴さも、トンボムの存在があるからこそ、際立つというもの。

しかし、ヨ・ジングはほんとにいいねぇ。

ドラマで主人公の子供時代をたくさんやっているが、『太陽を抱く月』は、とくによかった。子供は好きじゃないので、早くおとなの主人公が出てこないかしら、と思うのがいつものことなのだが、このドラマだけは、キム・スヒョンよりも見ていて楽しかったかも。キム・スヒョンは、若手の中ではとくにお気に入りなのにも関わらず。

この映画の撮影時は15歳だったそうで、それでこんな役をやってしまったら、この先どうなるのやら。楽しみなことだ。

リーダーの妻(といっても、犯罪の被害者なのだが)役のイム・ジウンも、複雑な立場、複雑な感情をよく表現していて好演だった。