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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『劇場版ムーミン 南の島で楽しいバカンス』

映画『劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス』公式サイト

今週のお題「ふつうに良かった映画」

予告編を見て、とても期待していたのは確か。

期待が大きすぎたのか、最近寝不足気味だったからか、見ている最中に何度か意識が遠のいてしまった。

小さい子が退屈して騒いでいた。

日本のTVアニメだと、この内容は30分でやっちゃうかもしれない。

でも、ムーミンはこれでいいのだと思う。

ファンタジーって、輪郭がぼんやりしていて薄暗いものだ。

とはいっても、舞台がリヴィエラなので、どうしたって太陽さんさんで、その矛盾からなんとなく座りが悪い内容になってしまったのかも。

あと、TVアニメの声優をそのまま使っているのも、どこかちぐはぐな理由かもしれない。

映像は本の挿絵の雰囲気をよく出しているし、中間色を多用した色合いもとてもきれい。ピアノが中心の音楽もよかった。

そして、純朴なムーミン一家が、拝金主義のリゾート地で巻き起こす一騒動、という話じゃない所がいい。

パパは名乗るときわざわざ「ムーミン・ド・なんとか」と言って、身分の高い一家だと相手が誤解するようしむけていて、数々の自慢話もかなりうそ臭い。フローレンは映画女優やお金持ちの男やビキニに夢中。なんだかんだ言って、彼らも俗物なのである。

とくにおもしろいのがフローレンで、彼女がほしかったのはビキニやドレスなど自分をきれいにしてくれるもの、きれいな自分を賞賛してくれる人たちであり、お金はそれを実現するための手段なので、ほしいものさえ手に入れば、お金自体には興味がない。

ムーミンが、自分自身をとくに意識せず、周りの人との関係の中でたゆたっているのに対し、この自我の確立ぶりはすごい。

そして、ミーが好きなことを好きなようにやっていて、姉のミムラに愛され、まわりにも自然に受け入れられているのもとても安定感がある。

しかし、今回もお客は20人くらいで、ムーミンがフローレンに「(ビキニを着たら)まるで裸みたいだ」と言っても、だれも笑わないのはちょっと寂しかった。