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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『6才のボクが、大人になるまで。』

6sainoboku.jp

長い。いろんな意味で。

映画館でしっかり集中してみないと、この上映時間はもたないかもしれない、と思う程度には長い。

そしてもちろん、12年という歳月の中で、同じ役者を使って、毎年毎年ずーっと撮って1本の映画を作った、という意味でも、長い。

でも、ドキュメンタリーではなくて、俳優が演技をする、劇映画なのである。

子供は少しずつ大きくなり、大人は少しずつ老けていく。その12年間を3時間たらずで見せるのだから、この尺はしかたないのかもしれない。

シーンが切り替わると1年後になっている、ということの繰り返しで、そこには説明もなにもなく、単に登場人物の容姿からそれがわかる、という作りがよい。

そのときどきのアニメとかゲームとか、ファッションとか、まさにリアルタイムである。

わたしにはもうじき18歳になる息子が実際にいて、彼とふたりで見た。しかも、わたしは離婚歴がある。なのでどうしても、シングルマザーの母親を中心に見てしまう。

子供二人の父親である最初の夫とは、学生時代のできちゃった結婚である。ミュージシャンを夢見てまともに働かない男で、つきあうには楽しそうだが、夫としてはどうしようもない。

劇中に、子供たちに自作の変な歌を歌って聞かせるシーンがあるのだが、「あー、こりゃダメだ。夢で終わるわ」というのが、観客にもわかるようになっている。

この父親が乗っている、およそ実用とはかけ離れた、古い、そしてかっこいい車が象徴的である。

二番目の夫は、離婚後に戻った大学の教授。社会的な地位があり、経済的にもなかなかよさそう。同じ年頃の子供がふたりいて、父性的な感じ。

だが、こいつがルールをやたらと振り回す権威主義的な男で、家庭の中では暴君。しかも、アル中、DVと、わかりやすい離婚劇が描かれる。

前の失敗に懲りて逆を張ったら、またも失敗、でも、こりゃ結婚前にはわかんないよね、と不可抗力ぽいのが、とても痛い。

子供たち同士が仲がよいのが救い。

そして三番目の男は、インテリに懲りたからか、海外派兵の経験もある元軍人。年は若そうなのに妙に保守的で、マッチョな男。夜遊びで帰宅の遅い子供を家の前で待ち構えていて、説教しちゃううざさ。

選んでいるのは母親だし、子供にとっては迷惑としかいいようがないが、母ちゃんもそれなりに考えてるのに、なかなかうまくいかない。

男たちの立場から見ると、子供との関係をきちんと作るのって、血のつながりがあろうとなかろうと、なかなか難しそうだ。

というあたりが、わたしにとってはおもしろかった部分で、少年が成長して青年に近づき、ガールフレンドとどうたら、自分の才能に迷いを感じてどうたら、というのは、かなりたいくつだった。