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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『凍える牙』

映画

www.cinematoday.jp

乃南アサ原作、ということだが、舞台は韓国になっている。

 

原題は『ハウリング』。っていうと、別の映画があったんだけど、韓国では原作小説も、同名の映画も知られていないのかな。

 

警察のダメダメぶりを描くのは、韓国映画のお得意だし、パワハラ体罰あたりは韓国社会自体の病のようだが、この映画では、パワハラに加えて、幼稚なセクハラがこれでもかと展開される。

 

男女が仕事上のパートナーになったら、「デキてる」という前提で冷やかす。小学生か、こいつらは。

 

酒の席で体を触る、という古典的なセクハラを相手にとがめられると、翌日から怒鳴る、殴る、雑用を押し付けるというパワハラにスイッチするヤツ。ソン・ガンホ演じるパートナー含めて、全員そういう扱いで当然だと思っている。

 

イ・ナヨン演じる新米女性刑事は、現場でみごとなガッツを見せるのだが、先輩刑事にテーザー銃(ワイヤー針が発射されるタイプのスタンガン)を打ち込んじゃったり、容疑者に腹部を殴られて動けなくなり、目の前で犬が人の喉笛を食いちぎるのをなすすべもなく見ているとか、経験と腕力の不足がみっちり描かれる。

 

このへんが、『ズートピア』と違うところだね、っていうか、比べるなって話だけど。

 

捜査会議でも、まっとうな意見を言うのだが、先輩たちには、まったく相手にされない。

 

本筋の事件は見事に解決するのだが、犯人もその道具となったかわいそうな狼犬も死んじゃって、麻薬中毒から精神障害になった、この事件のほんとうの被害者の犯人の娘はひとりで残されるわ、主人公の女性刑事は巡査に逆戻りだわ、セクハラ・パワハラはそのままスルーされるわ。

 

おっさん刑事の方は、若いパートナーの活躍で昇進したのに、それはおくびにも出さず、当たり前のような顔で別れを告げる。

 

一件落着のようでなんの救いもない。

 

ディズニー映画みたいに、正義と友情が勝つ必要はないけど、ここまで現実的だと後味が悪すぎる。