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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『ボーン・コレクター』

映画

www.kinenote.com

 

Netflix で。

 

最初に書いておくが、原作小説はめっっっちゃおもしろい。

未読の方には、強くお薦めする。
 
 
原作は上下巻の大作なので、映画の尺にすべて収まるわけはない。
当然、ある程度話はしぼられてくる。
また、原作と映画は別物で、原作を再現するために映画を作っているわけではない。
 
というのは、わかってるけどねぇ。
 
原作は続きがいっぱいあるのに、続編が作られなかったということが、映画の出来を物語っている。
 
主人公のリンカーン・ライムは、原作では白人男性という設定だったが、デンゼル・ワシントンが演じている。
そのせいかどうか、介護士はゲイの白人青年だったはずが、クイーン・ラティファに。
いや、すごくチャーミングでいいんだけど、どっちかというと、黒人の障がい者に対して、白人が介護するっていうのは、ハリウッド的にはあまりよくないのかしら? とか思っちゃう。
アンジェリーナ・ジョリーの役名が、原作ではアメリア・サックスなのに、なぜかアメリア・ドナヒーになってるが、これも、なにか事情あり?
 
傲慢でひねくれ者で口の悪いリンカーン・ライムと、周りの人たちのやりとりがおもしろいのだが、デンゼル・ワシントンだと、ちょっと愛嬌ありすぎかな。
 
最初に書いたとおり、原作をなぞる必要はないので、これはこれでいいんだけど、最大の敗因は、リンカーンとアメリアの心の絆がどうしてできたのか、見ていてもさっぱりわからないところだろう。
 
アメリアの父も警官で拳銃自殺したという記録を見ながら、リンカーンがアメリアに「父親と君は別だから」みたいなことを言い、彼女は涙を流す。
プライベートな部分にずかずかと入り込まれて、憤慨と屈辱の涙かしら? と思ったら、どうも感動して泣いてたらしい。
いろいろと傷を抱えた女性なのだが、その部分はまったく描かれないので、彼女の人となりもよくわからない。
 
最後の方で、アメリアが証拠品を素手で触って、そのままポケットに放り込んで隠すシーンに至っては、もうありえないの一言。
リンカーンがいつもうるさく言っている、デリケートな証拠品を扱う手順が、まったく放棄されているなんて。
そこをきちんとやるからこその推理なのになぁ。
 
犯人のプロフィールが原作とが変わっちゃったのは、まあ時間の関係上しょうがないかな、とも思うけど、動機がリンカーンへの恨みだけでは、これだけややこしいことをやった説明にはならないよね。
現場の状況や、残された微細証拠から、犯人の内面にまで立ち至るという、この話の肝心の部分がすっ飛ばされている。
 
リンカーンの住んでいる部屋、音声操作のコンピュータはじめ、さまざまな機械類などが絵として見られたのはよかったかな。