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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『アシュラ』

映画

asura-themovie.jp

↑自動で予告編が始まって音が出ます。注意。
 
 
宇都宮に来るのは6月ということで、すでに見た友人たちの話を指をくわえて聞くのもいやになったので、東京で見ることにした。
 
この日の昼間に、友人宅で『グッド・バッド・ウィアード』を楽しく見て、夜はこれなのでチョン・ウソン2本め。
 
直前まで『コクソン』とどっちを見るか迷っていたので、予約しようと思ったときには『コクソン』はすでに満席。
映画、それも韓国映画が混んでるということはほとんどない田舎に住んでると、こういうところが抜けている。
こっちも予約しようとしたら、最後の1席で一番前。
まあいいや、と予約したが、最初はどこに視線を定めていいかわからない感じだった。
そのうち、あまりの内容に見づらいのは忘れてしまったけど。
 
暴力と流血満載のコリアン・ノワール
 
もっとキツいのは、すべての人間関係で、互いに必死にマウントとりあうところ。
手下は手下で、少しでも上のものに取り入って、仲間より頭ひとつ出ようとし、ボスはボスで自分の手下を精神的にも肉体的にもちくちく痛めつけ、決して逆らえないように念を入れる。
すべてがこの連続だから、ほんとに息苦しい。
 
チョン・ウソン演じる主人公が、唯一そういう闘争をしなくていい相手は妻なのだけど、これも重病で余命いくばくもないという状態だから、かもしれない。
ボスの異母妹という設定だから、妻の方は夫に圧迫感与えまいと努めていても、元気なときはなかなかそうはいかないだろう。
 
ファン・ジョンミン 演じる、めっちゃわかりやすい悪徳政治家の顔いっぱいの笑顔とテンションの高さが、これでもかと強調されると、見ているほうもだんだん平常心を失って、この世界から逃れられないような気分になってしまう。
 
あがいてもあがいても、どこにも逃れられない。
肉体的な痛みよりそのほうがつらいかも。
 
おっさん俳優たち、皆よかったけど、出色だったのがチュ・ジフン(・・・は、まだおっさんじゃないか)。
ずいぶん体重を増やしてきていて、体の厚みが以前と違う。
小心さと、大胆さの入り交じったところ、いや、小心だからこそ、無茶やっちゃうという心理が、とてもよく表現されていた。
最後の「ほんとに撃つなんて」というセリフは、自分は結局撃つつもりなかったってことよね。
兄貴と慕うチョン・ウソンとの絆、そして、修羅の道に引きずり込まれたという恨み、これも複雑なんだけど、表情ではっきり目に見える。
役者としては、新境地、ってとこなんだろうけど、あの繊細な王子様はもういなくなっちゃったのね、と思うと、少しさびしくもあり。
 
夕方うっかりアイスコーヒーを飲んでしまったのと、この映画の地獄ぶりに神経をやられて、その夜は安眠できませんでした。