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映画を見た記録です。映画評ではなく、個人的な感想。
ネタバレは気にせずに書いていますので、未見の方はご注意ください。

『パンドラ』

映画

『パンドラ』-輝国山人の韓国映画

公式サイトはない。

なぜかというと、Netflix が版権を取得したということで、どうも劇場公開はなさそうだから。

japanese.joins.com

ということで、当然 Netflix で見た。

www.netflix.com

 キム・ヨンエ追悼。

このあとにドラマには出ていたようだが、映画はこれがたぶん最後。

田舎の食堂の母ちゃんで、身勝手で騒々しく愛情深く、そして自分が間違っていたと思うと、きちんとそれが認められる女性の役だった。

威厳のある役もよく似合っていたが、こういう庶民の姿もまたよし。

夫と息子が原発の従業員で、ふたりとも事故で失っていながら、そのまま原発以外なにもない村で、原発の職員相手の食堂を続け、下の息子(キム・ナムギル)も原発に勤めさせる。なんとかここを抜け出したいと、遠洋漁業の船員になる、と言い出す息子に大反対する母親。

生活のためにいろんなことを飲み込んで、それ以外に生きるすべを知らないんだろうなぁという感じ。

キム・ナムギルは、この映画ではかっこよくもなく、セクシーでもない。

言うことは威勢がいいが、母親と兄嫁、そして幼馴染の恋人の女性3人に首根っこをつかまれていて、頭が上がらない。

映画としては、もう最初からストーリーラインがわかっているテーマで、さらに韓国映画特有の、「もういいやん」と言いたくなるごりごり押してくる演出。

とくに、死に際してテレビを通じて家族に語りかけるとか、そこまでやるか、と思って見ていたが、キム・ナムギル、さすがにうまかった。

最初は感謝の言葉を述べ、かっこよく語りかけていたのが、だんだん本音が出てきて「母ちゃん、怖いよ」とつぶやくあたり、圧巻。

ありきたりといえばありきたりだが、パニックにかられて脱出しようとする群衆の描写とか、臨場感があった。

しかし、キム・ミョンミン演じる大統領が、自分の無力さに打ちひしがれて、対策本部をほったらかして執務室に引きこもり、妻にちょっとはっぱをかけられると、急にはっとなって自分の職務に戻るって、皮肉ですかこれは。

それと、ごひいきのチョン・ジニョンだが、あまりに一直線の正義の人で、ちょっとふくらみに欠けた。

わたしは311でそれほど大きな被害に合ってないのだが、大地震が起こり、原発が爆発するあたりは、心臓がばくばくしてそのまま見続けられず、数回休憩した。

映画自体の迫力というよりも、現実とオーバーラップしてしまったんだよね。

そして、これだけ被爆しては、登場人物全員助からないだろう、という重苦しさ。

劇場で見るのは厳しかったかも。

地震原発事故の場面は、人によってはつらすぎるかもしれない。